こんまりさんの片付けにハマってしまい、連日大掃除で13日目。

というのも、、服や本、書類のあとが大変だったのです。

私の仕事のもの(ものづくりの素材)や掲載本、掲載本のために依頼されて制作した物たち、作品の型紙やアイデア帳、ラフ画、納品書やハガキ、そして素材に至っては、革・麻・木綿・ウール・フェルト・毛糸・原毛・針金・和紙・あらゆる紙・テープやリボン・ボタン・タグ・貝殻・流木・シーグラス・刺繍糸・ビーズ・文房具・電球・電飾・そして販売用である完成品と・・
それだけでも普通の人の持ち物の3倍くらいあるものを、ボタンひとつひとつまで「ときめくか・ときめかないか」の選別をしてしまったのです。(^^;

もともと素材を分類していた収納の箱を買い替え・買い足し・さらに細分化して収納。

参考にしてきたハンドメイド関係の本も、もう作らないであろうジャンル(原毛フェルトでの制作など)は沢山処分しました。

自分でもすごく驚いたのは「アイデアソース」の箱の中に入っていたものが、今ではもう古く感じたものが多かったこと。

全く衰えない新鮮さを感じたのは、海外や日本の切手の図案や、チェコのマッチ箱の図案、外国の包装紙などでした。

洋服やバッグ等なら流行もありますが、自分の心のなかの「ときめくもの」も16年の間に少しづつ変わっていって、でもそれでも変わらないものもある。
不思議だなぁ・・と思います。

実は2週間ほど前に夢のマシーンを手に入れてしまったのですが、一度それを触りだしてしまったら、きっと大掃除なんてできなくなってしまうだろうという予感もあったのです。

Amuletというお店には、色々なハンドメイド雑誌の編集者さんたちも来ていたので、そこからオファーをいただいて全く自分では作ることのないようなものを作ったのも良い思い出です。

例えば今から10年前、私の定番商品だった「赤い毛糸のマフラーをつけた、いなせな熊のペンケース」をお店で見つけたコットンタイムの編集者さんから「この刺繍のクマさんで、立っているお雛様を作ってほしい」と連絡がありました。

しかも「見開きの大きなページの特集で載せたい」というのです。

当時の私には緊張で心臓が口から飛び出してしまいそうな大きな仕事でした。

その頃私は一度もぬいぐるみは作ったことがなかったので「この刺繍したクマをぬいぐるみに、しかも二本足で立つものを作るんですか・・!」とびっくり・・。

毎晩徹夜で試行錯誤し、なんとかクマを立たせることができました。

すると編集さんはさらに無理難題を言ってきます。
「クマなので、手には食べ物を持たせてほしいんです」
「クマに食べ物ですか・・」

考えた末、やっぱりおめでたいから男の子のクマには鯛・女の子のクマには桃の節句の桃を持たせました。

何度も電話や写真をメールでやり取りして、ようやく主役を完成させることができました。

本当はこれで納品だったのですが、ここでひとつ思いついてしまいました。

「ぼんぼりや屏風を一瞬でセットできるようにしたら便利じゃないかな・・」

実は娘には大きなお雛様があるのですが、マンションでは出すのも飾るのも置き場所にも困るので、もっと小さくてコンパクトなお雛様もあったらいいな・・と当時は思っていたのです。

ふとひらめいたのがリカちゃんハウス。

リカちゃんの家は開くと家が仕切ってあって、家のなかにベットやドレッサーをセットして遊べるようになっていました。
そして遊び終わったら、リカちゃんや家具は全部家の中にしまってお片付けをするのです。

その要領で蓋つきのボックスを作り、開いたら赤い毛氈がひいてあって、屏風やぼんぼりを立てるようにしてみたらどうだろう・・と思いました。

そんな突然の思い付きを編集者さんに話すと「え~~っ!可愛い!!是非作ってみてください!!」
と言ってくださいました。

調子にのって作ってみたら編集者さんは大喜びで、編集長に見せたら編集長もびっくりして、これを目次の次の巻頭ページに載せようということになりました!と報告をいただきました。

私にとって、初めて自分にOKを出せた仕事でした。

やったことがなくて、難しくて出来ないかも・・と思うような仕事が来ても「やりたいです!私にやらせてください!」と言ってみたこと。

自分のテイストでつくるのではなく、相手の本のテイストに合わせた作品を作ること。

オーダーを完成させたら、さらにそれ以上の工夫と自分のアイデアを加えて、相手の想像を超えるものを作ること・・

一つ一つその時の自分なりに考えて、自分に課した決まり事でした。

その後はずっとその本から毎月お仕事をいただくようになり、その編集者さんとは一緒に自由が丘にランチに行ったりするようになったのも良い思い出です。

そして2020年、この頃とは全く時代が変わりました。

今こうして見ていくと、まるでふた昔前のような気がします。(十年ひと昔、どころじゃありません・・)

 

面白くもなき世を面白く。住みなしものは心なりけり

 

高杉晋作なら、今の時代をどう生きるでしょうか。

私は未だ、この時代をどう生きるか・・寝ても覚めても考える日々です。

次回はつらつらと、今感じていることを書いてみようと思います。

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