一昨日、私の家で飼っていた文鳥が亡くなりました。

何をしていても落ち着かなくて、涙がでてたまりません。

小鳥って2グラムくらいしかないのに、どうしてあんなに賢いのでしょう。

すごいいたずらで、自分だけとずっと遊んでくれないと怒ってパソコンをしていればキーボードの上に座る。(指がキーボードを叩くと怒る)
制作していれば、机の上の紙をつついて落とす。(妨害して自分と遊ぼうといっている)
歩けばすぐに飛んできて、うしろをヒヨコのようについて歩く。

オーナーは娘なので、娘のところに行かせても、すぐに私のところに舞い戻ってきてしまうのです。
そうして、一時間放鳥して遊ばせていれば、その間中、ほぼずっと私のそばから離れないのです。

思えばいつも怒ってばかりいた。

遊んでほしいから噛みつくのに「痛い!」「噛まないで~」
一緒にいたいからついてくるのに「危ないでしょ、踏んじゃうよ」
パソコンのキーボードの上に座られると「こら~~~~!!!」

怒っても怒っても私についてきていたのは、邪魔したかったからじゃなくて、好きだからそばにいたかっただけなのに・・

調子が悪くなって数日し、朝からぼーっとしていて餌も食べれなくなってしまい、小鳥の専門病院に車で連れていくことにしました。

やっと病院について、鳥かごにかけていた毛布を外したら、文鳥がお腹を上にして目を閉じていました。

息がとまり、それから夢中で扉を開けてつかんだら、まだわずかに息がある。

「ちぃちゃん!ちいちゃん!ちぃちゃん!ちぃちゃん!ちぃちゃん!ちぃちゃん!ちぃちゃん!」
私はたぶん500回位泣きながら大声をあげていたと思います。

ちぃちゃんは黒い眼をぱっちり開けて、私のことをじっと見ました。

ちぃちゃん!死なないで!お願い!ちぃちゃん!死なないで!ゆりちゃんが帰ってくるから待ってて!ゆりちゃんを待ってて!
ちぃちゃん!ちぃちゃん!

それから私はあとはずっと大声で号泣しながらひたすら小鳥の名前を大声で呼んでいたと思います。

ちぃちゃんはうっとりした顔をして、名前を呼ばれるのを聴いていました。

文鳥はこんなに愛されたかった。

私のことを好いてくれていた。

小さな生き物は、こんなに自由に見えて、こんなに愛をくれていた。
その何千分の一も私はこたえてあげていなかった。

もっともっと甘えたかっただろうのに
もっともっと可愛い可愛いと言ってほしかったろうのに
もっともっと大好きと言ってほしかったろうのに
もっともっと撫でてほしかったろうのに

娘の小鳥だから、私にばかりなついてしまうことが申し訳なくて冷たくしてしまっていた。
ちぃちゃんは私のことを本当に本当に大好きでいてくれた。

ちぃちゃんはそれから5分位私のことを真っ黒い目で見ていた。

私は気が狂っているひとみたいに大声で泣きながらちぃちゃんと言っていた。
タブン500回位呼ぶまで生きていてくれた。
もしかしたら娘がくると思って待っていてくれたのかもしれない。

ゆっくりと目を閉じてそれから足がどんどん硬直してしまった。
私は誰もいない駐車場で文鳥を握りしめて1時間ぐらい号泣していた。

最後の最後にちぃちゃんを抱きしめたって、好きだって言ったって、生き返るわけじゃない。

小鳥が自分にむけてくれた愛情をしっかり受け止めて、その瞬間にもっともっと可愛がっていたら・・

ちぃちゃんは命が終わる瞬間に一番欲しかった愛情をもらって、5分も生きていてくれた。

もし文鳥をまた飼っても、それはちぃちゃんに姿かたちはそっくりでも、なかみは全然違う。

どうやったらちぃちゃんとまた会えるだろう、また遊べるだろうと考えると、そんなことはできないんだと思って一日中泣いてばかりいる。

でもひとつだけ発見した。
それは夢の中で遊ぶということだ。

眠る前にちぃちゃんと呼んでから姿を思い出して手にのせる。
そしていっぱい撫でてあげる。

ちぃちゃんはうっとりと幸せそうな顔をして、安心して目をとじている。

いつのまにか、左の掌のなかに小鳥と同じ温かさと重さを感じるようになると、それからずっと夢の中で一緒に過ごせるように感じる。

 

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